大分MTGプレイヤー名鑑、記念すべき第1回のゲストはえちごや(おいちゃん)さんです。
大分唯一のレベル1ジャッジとして、また大分屈指の強豪プレイヤーとして現在の大分MTG界を牽引するえちごやさんの、これまでとこれからをうかがいます!

プレイヤー名:えちごや
マジック歴:20年
好きな色:黒
よく行く店舗:カードプレイス レアルトマト中央店・本店
主なプレイフォーマット:スタンダード

――マジックをはじめたきっかけを教えてください。

えちごや:ホビージャパンっていう雑誌があったじゃない?もともとTRPG目当てでその雑誌を買ってたんだけど、そのなかにMTGの記事があって、それを読んではじめた。あとは『デュエルファイター刃』のせいかな?ちょうど日本ジュニア選手権の決勝を読んで「これ超おもしろそう!」ってなったのもきっかけのひとつだね。

――一番最初に当てたレアカードを覚えていますか?

えちごや:一番記憶に残ってるのはビジョンズのバンチュー(《吸血の教示者/Vampiric Tutor》)かな。それは結局《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》とトレードされてしまったけどね。俺が価値を知らなかったもんだから。その前にスターターを買った気もするけどそこまで覚えてないなー。

――FNMに参加しだしたのはいつごろですか?

えちごや:始めたころはFNMがなくて、レアトマ宮崎店がFNMを始めてから参加するようになったはず。それか、名古屋にいた時期がオンスロート期なんだけど、そのころに地元の大会でエンチャントレスを使ってた記憶もあるかな。

――ということは、初期に使っていたデッキはエンチャントレス?

えちごや:そうだね。オデッセイ-オンスロート期はサイカトグやエンチャントレスを使ってた。でも初期のデッキはもっと前のビジョンズのころで、ダリチュー(《暗黒の儀式/Dark Ritual》)でヒッピー(《惑乱の死霊/Hypnotic Specter 》)を出すデッキ。黒単ね。

――そのころはどうやって遊んでいたんですか?

えちごや:その頃は三原(三原槙仁プロ)と遊んでた!それから「ねこみみ」さんっていうイベント屋さん的な人がいて、その人がMTGの大会を開催してくれてた。

――それは個人主催で?

えちごや:そうそう。「ポストホビー」さんっていう店に協賛してもらって場所を貸りたり「自由館」っていうお店で大会を開いたりしてくれてたのが「ねこみみ」さん。

――その後FNMに出るようになって、エンチャントレスやサイカトグを使い出した、と。

えちごや:たしかそうだったと思う。それがFNMだったかどうかははっきり覚えてないんだけど。

――競技大会にも出るようになったのはいつごろでしたか?

えちごや:高校を卒業してから。名古屋にいたころに日本選手権予選に出だしたのが最初だと思う。15年前かな?さっき言ったオデッセイ-オンスロート期で激動サイカの時代。たしか6-2のオポ落ちで予選抜けられなかった。

――PTやGPにも参加されていますが、一番よかった成績は?

えちごや:PTだとこの間出たときのPTミルウォーキーの9-7。ドラフトが2-4でスタンが7-3だった。GPは成績がパッとしないのよね。二日目には残るけど二日目の成績はそんなになーみたいな。

――20年間MTGをやっていて、休息期間はありましたか?

えつごや:ちょこちょこあった。高校のときに一年くらいやってなかったり、社会人になって熊本に住んでるときに物理的にできない時期が一年くらいあったね。だいたい仕事のせい。それ以外はずっと続けてるなあ。

――一番印象に残っている対戦やデッキを教えてください。

えちごや:ぱっと浮かぶのはPT名古屋のPTQ。フォーマットはエクステンデッドで、ヴァラクートや石鍛冶が使えた最後のエクステンデッドのころ。ヴァラクートがトップメタで次いで赤単がいた時期に、オリジナルの白黒12Knightっていう電波デッキを組んで優勝した!

――それは凄いですね。

えちごや:それで初めてPTに参加したんだけど、初のPTが国内だったからタダで海外旅行できんやないけ!っていう。

――その頃と比べて、最近のデッキ選択は環境ごとに勝てるデッキを使っている印象ですが、使っていて楽しいデッキタイプは?

えちごや:最近はビートばっかりだけど、回してて楽しいのはアドを超取るデッキ!アドを取るデッキ大好き!《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》が大好きだった!カード引くの大好き、一対二交換大好き!

――その割に好きな色は「黒」なんですね。あまりアドをとるイメージの色ではないですが、黒を好きな理由は?

えちごや:始めたときから使い続けてたっていうのもあるかな。アドをとるのも好きだけど、「俺も痛いがお前のほうが痛い」みたいなのも好きなんだよね。スモポ(《小悪疫/Smallpox》)撃った時に相手にはクリーチャーがいてこっちにはトロウケア(《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》)がある、みたいな。あとはニゲーター(《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》)が好きなんだよねー。

――そんな中で思い出深いデッキは、やはりさっきの12Knight?

えちごや:唯一オリジナルで組んで結果を残したデッキがそれで、シェアしたデッキの中では日本選手権予選で使った4色続唱が思い出深いね。O村くんとじゅんぺい君が共同で作ったデッキで、これで日本選手権予選を抜けた。ワールドウェイクの頃だから7、8年前かな。

――どんなデッキだったんですか?

えちごや:ワールドウェイクの上陸でアンタップするクリーチャー(《潮力の精霊/Tideforce Elemental》)を軸にしたデッキなんだけど、サイドボードにおしゃれ枠でサルカン(《サルカン・ヴォル/Sarkhan Vol 》)が一枚入ってて、結構活躍したのね。で、そのデッキが公表されたときに2ちゃんねるで「おい、サルカンがベスト8に入ったぞ!」って話題になったのが印象に残ってる。

――結構電波デッキも好きですよね。

えちごや:そうだね。アド取るデッキと電波デッキが好きだなー。

――えちごやさんの歴史についてはこれくらいにして、ジャッジとしてのお話をうかがっていきます。大分唯一のレベル1ジャッジであるえちごやさんですが、そもそもジャッジ資格を取った理由は?

えちごや:誰も取らないからだよ!ジャッジ資格を取ることで大分で大会を開けたりお店に貢献できるから、何人かに「ジャッジ取らない?」っていう話をしたんだけど、みんな取る取る言うだけで誰も取らないから、やむなく俺が取ったの!

――実際のところ、えちごやさんがジャッジ資格を取ることで大分のMTG環境は動き出したと思います。

えちごや:動いてくれてよかったよ……。これで何も発展しなかったら俺何のためにジャッジ資格取ったの、ってなっちゃうからね。取り損じゃん、っていう。

――とは言いながらジャッジ資格自体に興味のある人はいるかと思うので、どういう流れで取ったかを詳しく教えていただけますか?

えちごや:レベル2ジャッジに二人知り合いがいるんだけど、そのうちの一人、宮崎の和田さんに相談して流れを教えてもらった。最初は「ネットにジャッジ用テストの練習問題があるから、それである程度の得点を取れるようになってね」って言われて、何回かその問題を解いて目標点は取れるようになった。そのあとにネットで本番のテストがあって、それで目標点がとれたら次は筆記試験。

――筆記試験のタイミングは決まっているんですか?

えちごや:和田さんが問題を作ってくれて、それを和田さんの目の前で解くかんじ。レベル2のジャッジがいないと筆記試験はできないんじゃなかったかな。そのあとに何回かカジュアルな店舗大会のジャッジをして、実地試験として和田さんと一緒に競技大会のジャッジをやった。

――そのあとにさらに試験が?

えちごや:実地試験のあとにもう一回筆記試験。もちろん筆記試験はある程度の点数を残さないと駄目。そのあとが面接試験。人間性を見ましょう、っていうやつ。

――よく受かりましたね!(煽り)

えちごや:俺もよく受かったと思う!面接が一番不安だった!

――面接官は誰になるんですか?

えちごや:それも和田さん。レベル2ジャッジとの一対一の面接になるね。そこで受かれば晴れてレベル1ジャッジ、と。

――……やっぱり大変ですね。取る気にはなれそうにないです。

えちごや:実際就職試験みたいなもんだよね。でも、ジャッジ資格取ったらルールに詳しくなるから、マジックは絶対に上手くなるよ。細かいミスが格段に減る。俺の場合は長年マジックやってるから、ってことである程度の信頼があったのも大きいと思うけど。

――現在のジャッジとしての活動について聞かせてください。

えちごや:PPTQのジャッジ手伝いだったり、GPTのジャッジやったり、店舗大会でジャッジとプレイヤーを兼任したり、かな。今後はGPのジャッジにも応募したいと思ってる。

――プレイヤーとの兼任は大変かと思いますが、今後とも頑張っていただきたいです。ここからはTwitterでの質問を聞いていきます。

・「一番好きなカードとその理由は?」

えちごや:やっぱり《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》だね。始めた頃に使ってたのもあるし、1ターン目に5/5トランプルを召喚するのが当時は気持ちよかった。4回殴れば勝ちだからね!それを赤単相手にやったときの気持ちよさね!当時はポンザレッドがメジャーなデッキだったんだけど、《ショック/Shock》撃たれたから「土地2枚サクるわ!」ってやってそのまま4ターンで殴りきったこともあるよ。

・「クリーチャーから嫁を選ぶなら?ただし《Little Girl》を除く」

えちごや:これさあ!どうしたって《Little Girl》になるじゃん!一択じゃん!

――質問した人もわかってるな、っていうかんじですね。

えちごや:しかたなく、っていうのもアレなんだけど、オリジンのチャンドラ(《カラデシュの火、チャンドラ/Chandra, Fire of Kaladesh 》)の表面だね。ロリチャンドラ。《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》と悩んだけどそっちで。

・「プロ何年目ですか?」

――……プロじゃないですよね?

えちごや:プロじゃないね。プロポイントをもらった事はあるけどシルバープロにすらなったことはないから。最初にプロポイントをもらったのはGP北九州で二日目に残ったときじゃなかったかな。10年前くらい。あの当時は二日目に残ったらプロポイントもらえたんだよね。でもプロかって言われたらプロじゃない。

――その割には……。

えちごや:みんなが俺のことをプロ扱いするんだよね!誰か止めてくれないかなホントに!

・「生涯獲得賞金額は?」

えちごや:そんなにもらってないよ?

――確かにマネーフィニッシュをしている印象は薄いですね。

えちごや:賞金っていう意味では4万くらいしかもらってないね。そのほかのBOXとかはかなりもらってるけど。あと旅費のサポートとか。

――賞品でプライズやBOXは沢山もらっているイメージです。

えちごや:PPTQのベスト8とかでパックはかなりもらうよね。ここ数年は自分で買ったBOXじゃなくて賞品のパックでカード集めてる。

・「数ある遠征メシの中で最も心に響いたものは何ですか?」

えちごや:これすごく悩む。

――マズかったっていう意味でもいいですよ。

えちごや:あー、マズかったっていう意味では、GP香港に行ったときにコンビニで買ったタマゴサンド。なにがマズかったって、食ったら「ガリッ!」って音がするんだよ!香港のサンドイッチは「ガリッ!」て音がするから!(個人の感想です)

――一応美味しかったものの話もお願いします。

えちごや:美味しくて感動したのは、GP神戸のときに「いいもの食べよう!」と思って二万円のステーキセットを食べたんだけど、そのときに出たフォアグラがすげーうまかった!レバーとかと同じ食感なんだけど、舌の上でトローッととろけるのよ!噛まなくていいっていう。他の美味しかったものの話もしようか!?

――もっと知りたい人は本人に聞いていただくということで。

えちごや:とりあえず小倉のかしわうどんは食え!めっちゃコスパがよくて美味い!

・「パチスロの収益はどれくらいですか?」

――マイナスでしょ?

えちごや:プラスだよ!ここ10年くらいはプラス!だいたいはトントンかちょい浮きくらいで終わるね。今年は結構勝ってる。

――最大浮きはどれくらいですか?

えちごや:年だったら20くらいかな。マイナスも20くらい。一日だと最大プラスが23でマイナスが11ってところ。最大負けの台はアイマスね!あれクソ台だわ!

――プラスになった分は何に使ってますか?

えちごや:旅費に交通費にカード代……たいていマジック関係に消えてくね。

・「ロードセクター出てくるの早過ぎだと思うんですがどう思いますか?」

――そもそもロードセクターってなんですか?

えちごや:仮面ライダーブラックにでてきたバイクの名前!まず最初に(しばらくえちごや氏による仮面ライダーブラックのバイクトークが続きましたが割愛します)。

――結論としては……?

えちごや:ちょっと早いと思うけどおもちゃ会社の戦略もあるからしかたないかな!

・「えちご屋(仮名)の進捗はどうなんですか?」「カードショップはできるのかできないのか」

――これは気にしている人がかなりいると思うので、できるだけ詳細にお話をうかがいたいですね。

えちごや:とりあえずは今の仕事と引越しがひと段落してから、だね。今はまだ色々あって動けない状態。

――開店のめどは立っているんですか?

えちごや:できれば年内には。やるなら個人経営か、誰かに経営を任せて店員をやりたい。

――形としてはカードショップになるんですか?それともプレイスペース?

えちごや:メインはプレイスペースにしたくて、できればボードゲームやTRPGも置きたい。というか俺が遊びたいことをしたい!

――それは自分が遊べない流れなのでは……?

えちごや:だよねー。あとは軽食もできればやりたいな。生活もあるから利益が出ることをちゃんとやりたい。

――具体的にいつごろから動き出せそうですか?

えちごや:いろいろと一区切りできるのが7月中旬で、そこから一ヶ月くらいは休みたいと思ってる。高校卒業してから働きづめだったからニート生活したいんだよね。9月になってから動き出すと思う。

――みんな楽しみにしているかと思います。頑張ってください。Twitterの質問はここまでになります。

――今後の目標をジャッジとプレイヤー両方についてお聞きします。ジャッジとしての目標は?

えちごや:レベル2はやっぱり欲しいよね。具体的にどれくらいかかるかがわかってないんだけど、できれば1、2年で取りたい。そのためにはジャッジをもっと頑張らないといけなくて、プレイヤーとしての両立が厳しいかな、と思ってる。

――えちごやさん一人でPPTQが開けるようになれば、大分の環境もさらに活性化するかと思います。

えちごや:盛り上げるだけ盛り上げて「あとは任せた!」って投げるけどね。

――そういう意味でも、もっと若い人たちにジャッジ資格に興味を持ってもらいたいですよね。

えちごや:俺がレベル2を取ることでレベル1ジャッジを認定できるからね。

――次にプレイヤーとしての目標を聞かせてください。

えちごや:なにかひとつくらいはタイトル取りたいよね!

――無冠の帝王というか、PPTQはよく抜けているイメージですが、大きなタイトルは?となると出てこないですよね。

えちごや:そうそう、そんなかんじ。PT優勝が大きな目標だけど、GPベスト8くらいには入っておきたいな。

――最後に、次回のインタビューを聞きたい人を指名してください。

えちごや:O村君で!

――ありがとうございました!

編集後記
第1回大分MTGプレイヤー名鑑、いかがだったでしょうか。なかなかに濃い話が聞けたのではないかと思います。えちごやさんのこれからの活動が、今後の大分MTGの活性化に繋がることを願うばかりです。
 
次回予告
第2回大分MTGプレイヤー名鑑のゲストはO村さん!
中級者の壁として今なお多くのプレイヤーの前に立ちはだかり続けるO村さんの歴史に迫ります!

コメント

生しらす丼のDDD
2017年6月12日12:27

コーノさん自体のインタビューもありえるんですかね?w キニナル

nophoto
コーノ@携帯
2017年6月12日18:24

>DDDさん

少し前の記事に第0回としてコーノの偽造インタビューを掲載しています。そちらをどうぞ。

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